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【レポート】「地球が壊れる前に」上映会&トークショー「地球に優しくミニマムで満足な生き方とは?」


ミニマムでも満足のいく生き方とは?

原生林の保全活動に務める西原氏と、エチオピアに新しいファッションブランドを立ち上げた鮫島氏。全く異業種で働く二人にはある共通の思いがあった。

西原氏「ガソリンスタンドに行くと当たり前のようにガソリンは手に入るし、コンビニに行くと、プラスチックのパッケージに入ったものが簡単に手に入ります。このままこんな生活を続けたら、地球の資源がなくなってしまう。」

鮫島氏「私たち日本人は、自分の欲望の赴くまま、欲しいものを手に入れようと思ったら、手に入れられます。けれど、それをしてしまうことで、未来の自分の首を絞めることになるんです。」

二人が考える地球に優しいミニマムでも満足のいく生き方を聞いた。

「本当に好きなものを追及する生き方」by鮫島弘子

鮫島氏自分は何が好きなのか、どういう自分でいたいのか、どういう生活を送りたいのか、どういう社会に身を置きたいのか・・・といったことについて深く考えること。そして出てきた答えをもとに、自分が本当にいいと思うものを一つ手に入れ、大切にすること。そしたらきっとその製品への愛着も湧くだろうし、自分のことも誇りに思えるはず。それが結果的に社会や地球へも良い影響を与えるなんて、素敵ですよね。」

「心の豊かさを求める生き方」by西原智昭

アフリカのコンゴ盆地で暮らす先住民ピグミーは、電気、水道がない生活をしている。もちろんスーパーなどない。食料は森の中にある数百種類の食べ物。彼らは取りすぎると次の年に食べられないことを経験から知っていて、取りすぎることは決してしないという。

西原氏「朝6時に起きて、日が暮れたら寝る。早寝早起き健康ですよね。本来ならば森の中に食料もふんだんにある。日本人、先進国の人はいつまでも起きて電気を使い、携帯電話とか電源がなくなると当たり前のように充電する。そのエネルギーがどこからくるか考えてない。でも、そんなのなくたって、ピグミーの人たちの生活は、本当に幸せそうに見えるんですよね。

日本では、連日のように父親や母親が子ども虐待する、殺すという悲惨なニュースが報道されていますが、ピグミーの人にそんな話をしたら信じませんよ。日本って高度に発展した国でしょ?って。そんな国に何でそんなことが起こるの?」と。

ピグミーはこれまで自殺者はゼロだったそうだが、つい最近、殺人が起こるようになったという。それはなぜか。

西原氏「格差が生じたから。文明人がお金を持ち込んだためなんです。」

原生林の中で暮らす民族が平和な暮らしを送る中、先進国の人間が介入したがゆえに、森林も、心も奪われてしまった。

西原氏「私も鮫島さんと同じで、何が幸せかってことを根本的に、真剣に考えていかないとだめなのかなと思います。」

ドキュメンタリー映画「地球が壊れる前に」を観て

トークショーのあとに行われたのはドキュメンタリー映画「地球が壊れる前に」の上映会。主演のレオナルド・ディカプリオが2年かけて旅し記録された世界各国の気象変動が描かれている。日本では2016年に公開された。いまこの映画の自主企画上映会が日本で行えるのは、実は西原氏のおかげである。地球温暖化を知る上でとてもいい教材だと、上映権を持つナショナルジオグラフィック社に掛け合い、今年の8月までの2年間、日本での上映権を授与された。無料で行うこと、西原氏が立ち会うことなど、いくつか条件はあるものの、西原氏は長期休暇を利用してコンゴ共和国から帰国するたび、上映会を行ってきた。

映画の中に描かれていたのは、目を覆いたくなるような悲惨な現実だった。温暖化の影響で両極の氷が溶け、海面が上昇し、海に沈む島があること。鉱物資源開発、化石燃料、アブラヤシ農園開発のために美しい森林がはげ山になっている現実。サンゴ礁がない海洋生態系の崩壊。私たちが牛肉を求めるため、南米では大量の牛の放牧されている。牛のゲップはメタンガスであり、深刻な温暖化の原因のひとつにもなっている。数々のショッキングな内容に絶望的な未来しか想像できない中、映画の最後に描かれている天文学者の一言に救われる。「私たちは不可能を可能にする」と

パリ協定が制定されてから3年。いま、具体的に何か行われていることがあるのだろうか。あまりに衝撃的な映像に、観客のみなさんも気持ちの整理がつかないようだった。

では、いったい私たちはどうすればいいのか。西原氏が提案するのは、まず「知ること」。そして、消費者として「社会的意義のある商品を選ぶこと」だという。

私たちができること①:RSPO認証を選ぶ

RSPO認証とは、環境や社会に配慮して生産されたパーム油に与えられる認証制度だ。
Roundtable on Sustainable Palm Oil(RSPO:持続可能なパーム油のための円卓会議)が行っている。

パーム油は、アブラヤシから作られる安価な油だ。実は私たちの暮らしにたくさん使われている。例えば、チョコレートやポテトチップスなど、植物油と書かれたお菓子、石鹸やシャンプーなどの日用品など。

世界的にアブラヤシ農園が広がるのは東南アジアだそうだ。アブラヤシ農園を作るために広大な原生林を切り倒し、豊かな生態系は壊されてきた。それがいま、アフリカにも増えつつあるという。このままアブラヤシ農園が増え続けては原生林がなくなってしまう。そこで、持続可能なパーム油のための認証制度が2004年に誕生した。

残念ながら、日本ではまだあまり見かけないにマークだが、もし見かけたら、この商品を選ぶことから始めてほしいと、西原氏は言う。この商品を選ぶことで、間接的に原生林を守り、豊かな生態系を守ることにつながっていくからだ。

RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil) website

私たちができること②:FSC認証を選ぶ

“Forest Stewardship Council(FSC)”は、森林認証を行う国際的な組織であり、FSC認証は、森林保全活動に取り組んでいる商品に与えられる認証制度である。

FSCマークのついた商品は、トイレットペーパー、コピー用紙、スタバのコップ、木材など、私たちが消費する生活用品に多く見ることができる。これらの商品を選ぶことで、適切な森林管理を行なっている林業者を支援することができ、森林の生態系も守られる。つまり、そこで暮らす動物をも守ることにつながっていく。

昨今、FSC認証を取り入れる企業は多い。値段も手ごろだ。私たちが普段何気なく手にする日用品の選び方をちょっと変えるだけでいいのだ。

西原氏が指摘する問題は、鉱物資源の認証制度がまだないということだ。認証制度ができるまで、レアメタルをこれ以上掘り起こされることのないよう、使い切った携帯をリサイクルするなど、消費量を押さえるしかないと警笛をならす。

西原氏「これから人類に求められるのは自己規制。我々がいま生きている数十年は大丈夫ですが、今の子どもが成人するとき、社会に出るとき、おそらく大変なことになっていくでしょう。」と。

FSCジャパン Website

これからの社会に大切なこと

鮫島氏:「映画の中で、インド女性の活動家の方が“何か起きても私のような富がある者はすぐ大きな被害を受けることはない。でも貧しい人たちはそうじゃない”という話をしていました。エチオピアでも、エルニーニョ現象の影響で、2016年、1000万人以上の人が飢餓にあいました。原因を作っているのは70億人のうちの、ほんの数パーセント、先進国に住んで、電気を使いたいだけ使い、大量のものを使い捨てにしている私たちなのに、気候変動で最初に被害を受けるのは、電気も石油もほとんど使わないような、ギリギリの暮らしをしている人たちなんです。

ファッションから見ると、大量生産の洋服を20着買うのと、本当に気に入った1着を買うことは、値段は同じになるかもしれないけれど、使う資源は20倍違います。いくら値段が安くても、一着作るのには同じだけの資源を使うからです。たいして思い入れのないものを取っ替え引っ替えするのはやめて、本当に気に入ったもの一つを選び、大切に使い続ける。そういうライフスタイルのほうが美しいことに多くの人が気づくべきだと思います。実際、そのことに気づけば誰より自分自身が一番幸せになれるんです。


 

西原氏:「一番大事なのは他人の立場に立って物を考える習慣をつけるということ。地球温暖化の影響で南太平洋の島々が沈んでいる。自分の住んでいる場所が沈んだらどう思いますか?自分の住んでいる山で鉱山活動をするとなれば、きっと反対運動が起こるでしょう。

フィリピンのはげ山は、ニッケル鉱山。電気自動車を作っている日本企業もやっていることです。電気自動車がいい、ソーラーがいいと思い込むのではなく、いい部分と悪い部分を自分で調べて自分で理解して選ぶ。もうちょっと世界に目を向けて、他国が自分のせいでこういう風になっていることを考えて欲しいと思います。電気をつける時間を少なくしたり、エアコンの温度を下げたり、車使う頻度を少なくするとか。一人がやると全体としてはものすごい節約量になると思うんですよ。」


 

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ゲストお二人のこれからの活動は?

ナレーター 小柴寿美子
Green Planet with Kids 副代表。
透明感のある明るい声が特徴。元NHK契約キャスター、リポーターとして、前橋局、福島局、首都圏放送センターにて7年のキャリアを積む。取材を通して蚕に夢中になり、自宅で蚕300頭を飼育した経験も。茶道や着付けを学び、和の文化を好む。福島県会津若松市出身。

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