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【レポート】「地球が壊れる前に」上映会&トークショー「地球に優しくミニマムで満足な生き方とは?」


「地球温暖化」という言葉を初めて耳にするようになってから、どのぐらいの年月が経ったのだろう。。。

この言葉は、いつしか私たちの生活に溶け込み、夏に異常なほど気温が高く台風が多くても、冬は暖冬で雪が少なくても、「地球温暖化だから…」と、もはや当たり前に受け入れてしまってはいないだろうか。地球規模で起きている気象変動は、南極や北極の氷を溶かし、海面の上昇によって、海に沈みそうな島国まで出てきている。この「地球温暖化」を起こしているのは、どうやら私たち先進国の暮らしと深いつながりがあるようだ。

 
3月13日(水)、巣鴨にあるシェアハウスRyozan Park 巣鴨にて、「地球に優しくミニマムで満足な生き方とは?」をテーマにしたトークショーと、地球の気象変動を描いたドキュメンタリー映画「地球が壊れる前に」の上映会が行われた。主催はGreen Planet with Kids。この美しい地球を子どもたちに残したいと、昨年発足されたボランティアグループだ。実は、私もそのメンバーの一人である。

約50名の参加者の中、ゲストとして登壇したのは、アフリカのコンゴ盆地にある稀少な原生の熱帯林地域で約30年に渡り保全活動に尽力してきた理学博士 西原智昭氏と、エチオピアでラグジュアリーレザーブランドを立ち上げた起業家 鮫島弘子氏。同じアフリカを拠点に活動している二人だが、仕事の分野は全く異なる「環境保全」と「ファッション」。

しかし、原生林を伐採している企業と、大量生産・大量消費のファッション業界は同じことをしているという。
「このまま資源を使い続けていいはずがない」と。

どうしたらこの美しい地球環境が保たれ、人類にとって幸せな生き方につながるのか。お二人が考える「地球に優しくミニマムで満足な生き方」をリポート。

西原智昭氏のフィールドは熱帯林の密林

西原氏「アフリカというとおそらく草原地帯というイメージがあると思いますが、僕がずっとやってきたのは森林地帯、熱帯林の密林の中です。」

理学博士 西原智昭氏は、大学時代、「人類とは何か?」をテーマに研究を始めたことがきっかけで、コンゴ盆地に住むゴリラとチンパンジーを研究するためコンゴ共和国に渡った。特に環境に興味があったわけではなかったが、ゴリラとチンパンジーを研究するうちに、いつしかコンゴ共和国をはじめとするアフリカのコンゴ盆地にある熱帯森林全体を保全する仕事に就いていたという。

湿地帯のおかげで残った原生林

2012年、西原氏が保全活動を行っていたコンゴ盆地は世界遺産に登録された。

西原氏の最初の研究対象となったニシゴリラを始め、アカカワイノシシ、通常のアフリカゾウよりも小型のマルミミゾウ、赤水牛、ホロホロチョウなど、野生の動物たちが生き生きと暮らしている。湿地帯があり、入りにくい場所だが、先住民ピグミーにカヌーを漕いでもらったり、ときには、首まで水につかったりして渡ることもあるという。ちなみに「ピグミー」という呼び名は蔑称だそうだが、通称でもあるそうなので、便宜上そのまま使わせていただこうと思う。


コンゴの森に住む野生動物たち

保全活動の傍ら、一番心に残っているのは熱帯林を飛ぶホタルだそうだ。葉が生い茂る密林は、夜、空を見上げても星は見えない。しかし、その代わりに木の高いところを飛ぶホタルがまるで星空のように美しく輝いているという。

西原氏この美しい原生林が残ったのは湿地帯のおかげなんです。人間が入りにくい環境だったから、そのままの姿で残ることができたんです。

保全の仕事に関わって約30年。西原氏はその間、破壊され消えゆく原生林を目の当たりにしてきた。

鉱物資源開発のため、はげ山になる森

地球が誕生して以来、そのままの姿で残ってきた原生林。この生物多様性の宝庫である貴重な原生林は、すでに地球上で極わずかと聞き唖然とした。東南アジアと南米はほぼ壊滅的だそうだ。その原因のひとつは、鉱物資源開発。今、世界的にみてもものすごいスピードで原生林の伐採が行われているという。それは、私たちが使っている携帯電話やソーラーシステムに使われる「レアメタル」と呼ばれる鉱物を掘り起こすためだそうだ。


コンゴ民主共和国におけるレアメタル(コルタン)の採掘現場
出典:Comité de la Fédération de Solidarité avec l’Afrique Noire (http://www.umoya.org)

 

西原氏「一度人間の手が入ってしまった森は、元々の生態系が壊れてしまう。それは植林をしたとしても二度と元に戻ることはない。」

このまま携帯電話やソーラーシステムが大量生産され続ければ、世界中から原生林がなくなってしまう可能性もあるという。この現実に、日本の企業も、消費する私たち自身も深く関わっていることに、どうしようもないやるせなさを感じた。

マルミミゾウ絶滅の危機に深くかかわる日本人

減っているのは森林だけではない。実は、動物の数も減ってきているという。その背景にあるのは密猟。西原氏は、わかりやすい事例として、印鑑に使われてきた「象牙」を挙げた。象牙は固いので彫っても崩れにくく、また朱肉につけると鮮やかな印が押せることも好まれ、高級印鑑の素材として日本で普及されるようになった。

西原氏「日本の伝統だからと言って、こぞって象牙を買い求めた結果、現地ではマルミミゾウが大量に殺されてきたんですよ。」

野生の象が絶滅の危機に陥ったことから、1989年、ワシントン条約により「象牙」の国際取引は禁止された。もし、今、日本で象牙の印鑑が買えるとしたら、それは条約前に仕入れた象牙の在庫のはず。しかし、現地では今もなおマルミミゾウが殺され、象牙が奪われているという。遠いアフリカにいるマルミミゾウが、絶滅の危機に陥る原因を作ったのは、紛れもなく私たち日本人だというショッキングな内容だった。
 

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鮫島弘子氏「ファッションは大量生産・大量消費でいいのか?」

ナレーター 小柴寿美子
Green Planet with Kids 副代表。
透明感のある明るい声が特徴。元NHK契約キャスター、リポーターとして、前橋局、福島局、首都圏放送センターにて7年のキャリアを積む。取材を通して蚕に夢中になり、自宅で蚕300頭を飼育した経験も。茶道や着付けを学び、和の文化を好む。福島県会津若松市出身。

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