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今知っておきたい自然派ワインについて~ビオワイン(オーガニック)と自然派ワインの違い、その特徴は?


国内でもワイン好き、ワイン通という方が増え、多くの方に好まれているワインですが、ワインといえば、2019年2月1日に日欧経済連携協定(EPA)が発効し、ワインの関税は即撤廃となる予定です。

2月まで輸入にかけられる関税は、1リットル当たり15%か125円のどちらか安いほうが課せられています。
関税撤廃により、欧州産ワインがこれまでよりもよりお手頃に手に入るようになるでしょう。

そんなワインの中でもとくに、人気が高まっている『自然派ワイン』。

なんとなく体によさそうというイメージがありますが、これを機に自然派ワインってどんなものなのか、自然派とよばれるものの基礎知識を知り、よりワインを楽しんでみてはいかがでしょうか。

自然派ワインの歴史


pixabay

ワインは中東のカフカス地方や地中海東部の沿岸地方が発祥地といわれています。

紀元前1,500年前後にギリシャに伝えられ、その後、ローマ帝国の拡大とともに西ヨーロッパに伝えられました。

この時代~化学肥料が主流となった高度成長期までは、自然の摂理に合わせたワイン造りが主流でした。

高度成長期以降は、化学肥料や農薬の開発・発展によって、工業的にワインが大量生産されるようになりました。

工業的とは、農薬をつかってブドウを栽培し、工場で培養酵母により人工的に発酵させ、安価にワインを提供するということです。
工業化が進みすぎて、農薬によって微生物が減り、土地がやせ細り、土壌汚染が引き起こされました。

そこで、これらの問題が悪化するにつれて、より持続可能な農法により質の高いワインを求める動きが活発になってきます。

自然派ワインは、質の高いワインを求める動きに対する一つの回答でした。

自然派ワインとは?


pixabay

自然派ワインは、フランス語では、ヴァンナチュール “Vin Naturel”と呼ばれ、その製造工程に焦点をあてています。特徴は以下の通り。

自然派ワインの特徴

  1. ブドウの栽培過程において、無農薬・有機肥料で育てられる
  2. 遺伝子組み換えではない。放射線処理は禁止
  3. その土地由来の天然酵母を使って醸造される
  4. 酸化防止剤や亜硫酸塩(So2)の使用料はゼロまたは極力おさえる
  5. ノンフィルター*無濾過・無清澄

*ノンフィルター・・・濾過を極力おさえて、そのワイン本来の旨みやコクを残す方法

3,4,5の醸造方法に焦点をあてているのが、自然派ワインです。

また、実は3のその土地由来の天然酵母をつかうには、デメリットもあるようです。
個性的なワインがつくられる代わりに、ワインの味が安定しない、あるいは味の質が一か八かになってしまうということも起こっています。

自然派ワインは人によって解釈が異なるため、オーガニックワインやビオワインも自然派ワインの一部で、明確な線引きはないという人もいます。

しかし、ここではオーガニックワイン・ビオワインと自然派ワインを「ぶどうの生産過程に焦点を当てるか」と「ワインの醸造方法にも焦点をあてるか」によって、区別をしたいと思います。

オーガニック・ビオワインとは?


pixabay

オーガニックワイン・ビオワインは、農薬・化学肥料・除草剤が使われずに育てられたブドウをつかって醸造されます。
ビオロジックやビオディナミ(バイオダイナミック)農法があります。

ビオロジック農法


pixabay

ビオロジック農法とは、オーガニック農法のことです。

有機肥料として、鶏糞・羊糞・緑肥・堆肥などがあげられます。EUでは、EUで認証された有機肥料以外はつかえません。

化学肥料を使用しないことで、その土地の天然酵母がブドウに付着し、それぞれの独特な味わいを楽しむことができます。

皆さんは、テロワールという言葉を聞いたことがありますか。
その土地や気候、土壌によって生み出されたその土地ならではの特徴のことをいいます。

住んでいる場所によって、気候はもちろんのこと、その土壌の微生物やその種の構成も微妙に異なります。それが、ワインの味やコク、旨みの違いとなってあらわれるのです。

ビオディナミ(バイオダイナミック)農法

牛角-著者レムケさん画像

photo by Natsuko Lempke

ビオディナミ農法は、オーストリアの哲学者・科学者でもあるルドルフ・シュタイナーが提唱した農法。
土壌、生物、天体の動きまでを観察し、ブドウ本来のエネルギーを高める農法で、ビオロジック農法よりもさらに厳格。

(ビオディナミ農法についてはオーガニックにもグレードがある!最高品質のオーガニック製品を求める方にオススメ!バイオダイナミック有機農法とおすすめワイン】で詳しく紹介しています)

太陰暦にもとづいた農業暦にしたがって栽培され、哲学的な要素も組み込まれていることが特徴です。認証機関はデメターが最も有名。

オーガニックブドウから醸造されたワインはオーガニックワイン・ビオワインとして販売されます。

「オーガニックワイン」「ビオワイン」と名乗るためには、オーガニック認証が必要です(ヨーロッパの代表的なオーガニック認証はつぎの項で触れています)。

ちなみに日本では、オーガニックワインを有機ワインと表示して販売するためには、有機JAS認証の取得が義務付けられていますが、ビオワインについてはその限りではありません。

極端な話、販売者がビオとして売り出していて実際そうではなかったとしても、それを罰する法律が今のところありません。日本でビオワインと銘打って販売されているワインについては、販売スタッフの方に聞いてみるなど、見極めてから購入することが大切です。

ヨーロッパの代表的なオーガニック認証

Euroleaf(ユーロリーフ)

EU産有機農産物マーク


AGRICULTURE AND RURAL DEVELOPMENT Organic Farming

2012年以降、オーガニック農業規則に関する共通の基準が採択され、EU各国の独自ロゴの代わりにこのユーロリーフがつかわれるようになりました。

EU(欧州委員会)の有機認証管理団体のコード番号と原料の生産地を明記する必要があります。
ロゴは、欧州と自然の融合を示しています。

農業成分の95%が有機成分でなければなりません。

2012年の収穫のワインからオーガニックワインとして名乗ることができます。それまでは、醸造プロセスにおけるオーガニック認定について、明確な基準が示せずにいたため、「オーガニックブドウからできたワイン “Wine made from organic grapes”」といった呼称しかできませんでした。

オーガニックワインとして表示するためには、同時にこのユーロリーフのマークも表示させなければなりません。

ECOCERT エコサートまたはエコセール

ECOCERTエコサート認証


ECOCERT エコサートジャパン

1991年に設立されたECOCERT SAによる認定(本拠地:フランスのトゥールズ)。

85カ国以上で認証提供されているため、世界的に認知度が高く、世界最大規模の団体で世界基準となっているともいわれています。
また、基準も厳格で有機農法を5年以上続けて初めて認められるという厳しいものです。

AB(Agriculture Biologique)

Agriculture Biologique認証


Agence Bio

フランスの国家としてのオーガニック認証。

フランス政府が1981年にオーガニックに関する指針が示され、1985年から国家によるオーガニック認証としてはじまりました。

有機農法を実践している期間が最低3年間必要となっており、酸化防止剤は、EU基準の3分の2までの使用が認められています。
こちらもフランス政府が厳格に認定していることから世界的に知られています。

Demeter デメターまたはデメテール

デメターロゴ

Demeter デメター認証


demeter

ドイツの認証期間。ビオディナミを認証しています。

ビオディナミは、先に述べたとおり、ビオロジックの中でも非常に厳格な有機農法のため、認証の難易度も他の認証に比べて非常に高いといわれています。
もちろんビオディナミ有機栽培農法を実施していることが必須条件です。

そのほかにも、デメター認証原料を90%以上使用していること、残りの10%についてはオーガニック栽培または野生の原材料を利用している必要があること、化学合成原料は使用しないことなど、多くの要求事項があり、生産・加工・包装・流通に至るまで厳しい審査にとおされます。

オーガニック認証マークの有無は、そのワインがオーガニックワインかどうかすぐに見極められるのが利点です。
また、認証によってトレーサビリティ(追跡可能性)がわかるため、どの場所でつくられたのかもわかるようになっています。

認証をうまく活用できるといいですよね。

上記以外にも多くのオーガニック認証機関が存在しています。

認証取得には費用がかかるため、あえて認証を取得せずに生産に集中するという生産者もいます。

そんな生産者はどうやって探すのでしょうか。これはもう口コミや評判、実際に飲んだ味から判断するしかありません。あなたにぴったりのワイン探しの旅に出るのも一つの方法です。

リュット・レゾネとは?

ワイン好きの方なら一度は聞いたことがあるかもしれません。

リュットリゾネは、フランスではじまった減農薬・環境保全型のサステナブルな農法のことを指します。
有機農法には含まれませんが、もっとも広く採用されている栽培方法です。

土壌の状態を観察し、必要なときに化学肥料や農薬をつかいます。

ここで、あえて自然派度合いが高い栽培方法に分類すると

ビオディナミ > ビオロジック > リュット・レゾネ

の順番となります。

なぜ、自然派ワインやオーガニックワインは頭が痛くならないのか?


pixabay

自然派ワインやオーガニックワインは、農薬や亜硫酸塩(So2)がつかわれない、または極力抑えられているため、化学物質の混入がなく、飲んだ後に頭痛にならないと、なんとなく思っている方が多いようです。

自然派ワインを飲んでも全く頭痛がしないという人は多いもののも、逆もまたしかり。

その原因がアルコールからなのか添加物からなのかがわからないため、一概に自然派ワインはいくら飲んでも頭が痛くならないとはいい切れません。

ただ、自然派ワインは、保存料や酸化防止剤の使用が極力抑えられているため、頭痛になりにくい傾向にあるといわれているのは確かです。

何といっても、ワインを楽しむ際にもっとも大切なことは、自分自身の適量を守って楽しむことですよね。

サステナビリティをワインでも実践する


pixabay

ワインの発酵過程は、現在の科学でも完全に説明ができない神秘的なものです。

天然酵母はその土地によって違うため、ワイン自体も微妙な違いとなって世に出てくるのですね。

自然派ワインやオーガニックワインは栽培過程と醸造過程両方において、自然本来の豊かさを引き出そうとするものであり、まさにサステナブル(持続可能)でもあります。

サステナブルということは、生産地域の自然環境、さらには生産者を守ることにもつながり、自然を大切にしたライフスタイルが実践できるということ。

また、自然を大切にすることが、自分の体を大切にすることにもつながります。

この機会にぜひ自然派ワインを通じてサステナビリティを実践してみませんか。

実際に自然派ワインをテイスティングしたい!学びたい!という方は、ぜひ【体と地球に優しい自然派ワイン入門セミナー】へご参加ください(発酵美スタッフも参加いたします)。

【終了】体と地球に優しい自然派ワイン入門セミナー@南青山
発酵美、it’s so easy協賛
BiOS Link Japan主催
2019年1月26日(土)に発酵美も協賛しているサステナブルなワイン会「体と地球に優しい自然派ワイン入門セミナー」を実施します。

編集後記

自然派ワイン入門セミナーでは、世界中の自然派ワインやビオディナミのワインが紹介されました。

photo by KAERU

ワインの生産地域は、イタリアやフランスだけではなく、南アフリカやジョージアなど新しいワインの人気の生産地域も生まれていることも知りました。
また、こういったワインをどの店で購入したら良いのか、オススメの店が紹介される一幕も。本物のワインをお手軽に買えることは、ワイン好きにとっては必須ですね。

ワインはサステナビリティというキーワードとの親和性が高いものの、しっかりと見極める目を持つことが必要です。ご要望がありましたら、サステナブルなワイン会を開催しますので、お気軽にお声をかけてくださいね。
 
講師のSAORIさんの主宰するワインゴトの公式HPはこちら!
http://winegoto.com/jibunmanabu-winegoto/

1月26日 自然派ワイン入門セミナーで紹介されたワインはこちら!

photo by KAERU

  1. KOPPITSCH ALEXANDER WEISSBURGUNDER 2017 (コピッチ アレキサンダー ヴァイスブルグンダー) 造り手: Alexander KOPPITSCH (アレキサンダー コピッチ) 産地: オーストリア:ブルゲンランド
  2. VANDAL GONZO MILITIA 2018 (ヴァンダル ゴンゾー ミリーシャ) 造り手: 非公開 産地: ニュージーランド:マルボロ
  3. Cradle of Wine GOGI BLANC 2013 (クレイドル オブ ワイン ゴギ ブラン ) 造り手: Paul Rodzianko(ポール・ロザンコ) 産地: ジョージア:カヘティ
  4. Smallfly wines(スモールフライ) 造り手: ウェイン・アーレン & 中野雄揮(久能ワインズ) 産地: オーストラリア:バロッサ
  5. Pat’Jo’Cotton (パット ジョー コトン) 造り手:Patric Cotton (パトリック・コトン) 産地: フランス:ボージョレー地方
  6. Swerwer (スワーワー) 造り手: JC Wickens (ヤスパー ウィッケン) 産地: 南アフリカ スワートランド

 
森をつくる農法「アグロフォレストリー」昨今注目される訳
 
 
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マスターオーガニックコーディネーター KAERU
オーガニック集客・ブランディング・マーケティングコンサルタント。日本のオーガニック事業者へのインタビューを続けている。クライアントのビジョンを大切にしつつ、集客支援をすることで、人や自然によりやさしいサステナブルな社会作りに奔走している。

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