Organic(オーガニック)

森をつくる農法「アグロフォレストリー」昨今注目される訳


アグロフォレストリーとは、森林農法ともいわれ、その土地にある生態系を生かした農法のことです。
Agroは「農」、Forestryは「森林」と訳されます。この二つを組み合わせたものがアグロフォレストリーです。

もっと具体的には、その土地にある樹木を生かしながら、ときには必要な樹木を栽培し、農作物を植えていくという方法といえます。そうすることで、樹木と農作物の相互作用によって、農薬をつかわずに、お互いを補うことのできるので、画期的なシステムだといわれてきました。

多種多様な作物がその場所に存在し、お互い助け合って生育していく、これがアグロフォレストリーなのです。

作物をつくればつくるほど、森もつくられる!

photo by KAERU

別の人はアグロフォレストリーのことをこういいます。

森をつくる農法
農作物をつくればつくるほど、森がつくられる

農作物をつくるほど森が育まれていくなんて、どんな方法なのだろうと思いませんか。

たとえばコーヒーの栽培。
コーヒーは通常、山の斜面を切り開いて、コーヒーの木だけを植えて収穫するのですが、アグロフォレストリーでは木と木の間にコーヒーの苗木を植えていきます。

コーヒーの木は日光も必要としているのですが、木の周りには低い温度の土も必要。低い温度の土をつくるには、当然日陰をつくることが重要なのです。そこで、シェードツリーといわれる日陰をつくってくれる木に守ってもらいます。

たとえば、バナナやマンゴーの木。これらは高さがあるので、コーヒーをやさしく守ってくれるのです。ほかにも、土中の微生物の相互作用によって土壌が豊かになり、長期的な収穫量が増えるなどの効果も。

そんな土地には鳥などの動物がやってきます。彼らも生態系の中に組み込まれ、よい循環をつくり出していきます。

まさにオーガニックを越えた、自然の形に限りなく近い農法なのです。

その土地の生態系を守ると同時に、地域に潤いを与えるのが「アグロフォレストリー」

photo by KAERU

私が最初にアグロフォレストリーを知ったのは、エクアドルのインタグ地方という場所した。

この地方では鉱山開発をめぐる賛成派と反対派の紛争が起こっていました。そんな中、違うアプローチのグループがいました。

土地にある自然を生かしながら、農作物を換金していこうという動きです。これこそがアグロフォレストリーだったのです。

受け継いできた自然を次の世代に残すことができる。
自分たちも収入を得ることが出来る。

このようにアグロフォレストリーは、経済と自然が両立する手法ということで、採用・拡大されていきました。

また、そのあと訪れたフィリピンのコロス地方でも同じ動きがありました。

収入をもらい、同時に森をつくる方法」ということで、少しずつ広まってきています。

単一栽培に頼ったほうが機械も導入でき、大量に栽培して収穫できるため、短期的には収入になります。ただ、単一栽培は土壌を悪化させるので、長期的にみると収穫量が落ちることも。

その土地を思う気持ち、自然を守る心構えが、アグロフォレストリーという道を選択させるということです。
この多様性を生かすアグロフォレストリーは、まさにサステナブルな農法といえるのです。

商品を購入することが、森をつくることにつながる


pixabay

私たち日本人は狭い国土の中に約1億2000万人が住んでいる一大消費地でもあります。食料自給率も40%に届かず、食料を海外からの輸入に頼っているのはご存じのとおり。

このような状態のため、いきなり生産を高めていくよりも、「消費の仕方」のアプローチを変えていくほうが今は得策です。

アグロフォレストリーは、日本では、沖縄などでこの農法に準じた生産の試みがあります。ですが、アグロフォレストリーと熱帯気候は強い親和性があるため、日本から遠く離れた赤道付近で実施されやすいのも事実。
そこで、アグロフォレストリーに関して、私たちができることは「消費すること」だといえるでしょう。

私たちが消費するものをアグロフォレストリー農法でつくられたものに代えていくことで、その土地の森を育むことにもつながるのです。

加えて、先ほど述べたように、アグロフォレストリーは多品目の栽培のため短期的な収入には向いていません。

そこで、私たちがアグロフォレストリー農法からつくられた商品を購入することが生産者のつぎのアグロフォレストリー農産物への製作意欲の原動力となります。

ただし、ここで大切なのは、肩肘を張らないこと。
本当にいいもので、ちょっぴり「いいこと」であれば購入する、くらいの気持ちのほうがいいと私は考えています。

アグロフォレストリー農法で製品化された代表的な3つの商品


pixabay

とはいっても、遠い国の話に聞こえ、身近に感じれないかもしれません。アグロフォレストリーを初めて聞いたという方が大半でしょう。

そこで、日本にアグロフォレストリーに関係する商品を3つピックアップしました。商品としても非常に優れた商品です。

  1. フルッタアサイー
    アサイーはスーパーフードとして、最近ブームになりましたので、知っている方も多いのではないでしょうか。
    コンビニで置いているのを見かけたことのある方もいるかもしれません。
    この商品をあつかう株式会社フルッタフルッタは、まさにアグロフォレストリーとの出会いから生まれた会社です。近年注目されているブラジル・トメアスのアグロフォレストリーから原材料を仕入れています。健康にも環境にもいいジュースですね。
    〔製品情報〕https://www.frutafruta.com/products/frutaacai/
  2. 明治 アグロフォレストリーチョコレート
    大手企業がアグロフォレストリーに関わる画期的な事例です。こちらも、株式会社フルッタフルッタと同様、ブラジル・トメアスの方々との共同開発によって生まれた商品です。
    どちらからというと、森林荒廃した土地を再生させるという方法をとっています。
    下記の製品情報には、アグロフォレストリーチョコレートができるまで分かりやすくイラストで描かれていますので、要チェック!
    〔製品情報〕http://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/agroforestry/
  3. ハチドリのひとしずくコーヒー
    私が訪れたエクアドル・インタグ地方のインタグ有機生産者協会とメキシコ・トセパンからフェアトレードとして輸入されたコーヒー。
    「ハチドリのひとしずく」は南米のアンデス地方に住む先住民のキチュア族に伝わる話。山火事に、一滴ずつ水を運ぶハチドリをバカにする他の動物たちに対して、「僕ができることをやっているだけなんだ」と、ハチドリは答えました。自分にできることをやっていくことの大切さがわかる話です。
    そんな話が商品の名前に。
    〔製品情報〕http://namakemono.shop-pro.jp/?pid=4193403

番外編:レインフォレスト・アライアンス認証、バードフレンドリー®コーヒー


レインフォレスト・アライアンス

まだまだ、日本国内では、アグロフォレストリー農法の商品をみつけることは難しいという現状もあります。
そこで、一つの目安として、「認証マーク」が手掛かりとなります。

アグロフォレストリーに近い認証として、「レインフォレスト・アライアンス認証マーク」や「バードフレンドリー®コーヒー」があげられます。環境・社会・経済面においてサステナブルな基準に準じていると判断されると認証されます。

すなわち、その認証がついた商品を購入することが、その土地の生態系を守ることにつながります。

レインフォレスト・アライアンス認証

バードフレンドリー®コーヒー
 
これら認証マークの商品を、「なんとなく、自然にやさしそう!」という感覚で、知らずしらずのうちに手に取っているという方もいらっしゃるかもしれません。

アグリフォレストリーのように、「経済と自然が両立する方法」や「環境保全」「自然保護」「経済支援」などと聞くと、日本に住む私たちには全く関係ないことのように感じる方も多いでしょう。

しかし、それら遠くの国々でつくられたものの大量消費しているのはその国に住む人たちではなく、まちがいなく日本をはじめとする先進国に住む人たちなのです。

だからこそ、私たちには可能な範囲でアグリフォレストリーのような取り組みを、「消費」という形でサポートする必要があるのではないでしょうか。

そのときに大切なのは、「肩肘を張らないこと。
本当にいいもので、ちょっぴり「いいこと」であれば購入する、くらいの気持ちで、私たちにできることからはじめてみるのはいかがでしょうか。

 
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マスターオーガニックコーディネーター KAERU
オーガニック集客・ブランディング・マーケティングコンサルタント。日本のオーガニック事業者へのインタビューを続けている。クライアントのビジョンを大切にしつつ、集客支援をすることで、人や自然によりやさしいサステナブルな社会作りに奔走している。

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