Fermentation 発酵

日本の伝統発酵調味料 基本の話~その種類と正しい選び方


日本の料理に欠かせない発酵調味料。

味噌
醤油

料理酒

など様々な種類があります。

他の国の料理では味わえない独特の旨味や香りをもち、世界に誇る「日本料理」の大切な食材のひとつです。

ですが、こうした発酵調味料がどのように作られているか?
また、各調味料の数多くの種類やメーカーから、どれを選べばよいか?

実はあまり知られていませんね。

さらに、発酵調味料は「素材に味をつけるだけのもの」と思っていませんでしたか?

実は発酵調味料は、旨味、香り、塩味、甘みを加えるだけでなく、様々な「栄養」を含んだ素晴らしい「健康食品」「美容食品」としての働きをも合わせ持っています。

例えば、お酒を仕込む「杜氏」の手は綺麗、というお話は有名ですね。

実際には水仕事がとても多く、手は荒れてしまう事が多いそうですが、それでも麹に触れた後は、やはりしっとりすべすべだそうです。

また、健康食品の代表「ヨーグルト」もまた発酵食品ですね。

ヨーグルトは発酵の力で菌や栄養価が高まりますが、日本の発酵調味料も同じく体に嬉しい成分がたっぷり含まれます。

今回は、日本の発酵調味料について基礎の基礎。
その作り方、種類、それぞれの特徴について見ていきましょう。

選び方、目のつけ方が変わって、あなたにぴったりの発酵調味料が見つかりますよ。

味噌〜選び方のポイントは「色」

味噌画像

味噌は、蒸した(煮た)大豆に塩と麹を混ぜて、発酵させて作ります。

麹画像

使用する麹の種類は大きく分けて、豆、麦、米と3つ。
この違いで、豆味噌、麦味噌、米味噌に分かれます。

まずこの「豆味噌、麦味噌、米味噌」の種類の違いがありますが、それ以外にも味噌売り場に行くと、本当に沢山の種類の味噌が売られていますね。

味噌のこうした多様な違いが何から生まれるか?というと

      ・大豆の種類

 

      ・麹の種類

 

      ・塩分の違い

 

      ・熟成期間の違い

 

    ・熟成方法の違い

などにより、味・香り・色にも変化が表れます。

からだぽかぽか効果を高めて、栄養たっぷりでお味噌をいただきたい!
という方には、色の濃い味噌がおすすめです。

もちろん、製品により違いがありますので一概には言えませんが、色の濃い味噌の方が熟成期間が長い場合が多いからです。

熟成味噌画像

熟成期間が長いほど発酵が進み、乳酸菌や酵母などの微生物が増え、ビタミンやアミノ酸などの様々な成分も増えて栄養価はさらに高くなっていきます。

そのため、色の濃い味噌の方が「栄養満点♪さらに巡りが良くなり、ポカポカ!」ということになります。

ですが注意点として、熟成期間が長いほど(色が濃いほど)、味噌の独特の風味も濃くなって複雑な味わいになります。
あっさりした味噌が好きな方は、色が薄めの味噌の方がお好みの味かもしれません。

このように味噌は、季節や好み、目的に応じて使い分けて楽しむことができます。

だし入り味噌は、なぜ「だし入り」なの?

お味噌汁画像

また、「だし入り味噌」を選んでいる方は、ちょっと勿体無いことをしているかも知れません。

味噌は、大豆のたんぱく質がアミノ酸に分解されるため、それだけで十分にうま味が感じられるものです。
そのため、だし入りの味噌というものは、もとの味噌だけでは旨みが足りない分を人工的に添加しているだけのもの。

わざわざ「だし入り」味噌にするのは、原料の品質がよくないもしくは、早く作るために発酵を短時間で終わらせている、などの理由が考えられます。

また、だしを入れてあるものは、加熱処理をするので「生」のものはありません。
加熱に弱い成分は、だし入り味噌では減少してしまっていることになります。

味噌は、大豆が持っているイソフラボン、大豆レシチン、サポニン、食物繊維、ビタミンE、ペプチド、などが含まれる以上に、発酵により乳酸菌や酵母などの有用菌、ビタミンなどが増えて、様々な栄養がぎゅっと詰まった素晴らしい健康食品です。

その成分から、コレステロール低下作用が注目されている他にも、巡りを良くする体質作りにつながります。

お味噌でポカポカサラサラになりますね。

醤油~原料で美味しさを簡単チェック!

醤油画像

蒸した大豆、小麦、麹(小麦から小麦麹を作る)、塩水を合わせて発酵させたものの液を絞ったものが醤油です。

まず、醤油のもととなる発酵させた液を醪(もろみ)と言います。

この醪(もろみ)を絞っただけの酵母が生きている状態のものが「生醤油」「生絞り醤油」と呼ばれているもので、醪(もろみ)の風味を強く感じることができます。

絞ってからさらに火入れをして、酵母の成長を止めたものが「醤油」なんです。

このように醤油は本来、時間をかけて大豆と小麦から発酵させて作るもの。

まず、種類の大きな違いは「濃口」「薄口」の違いです。

・濃口醤油
大豆と小麦の量が、等量ほどで作る醤油です。
何にでも使える基本となる醤油ですので、1種買うならこちら。
塩分濃度は約16~17%

・薄口醤油
大豆より小麦の量を多くして作る醤油です。
色が薄いために「薄口」と呼ばれていますが、実は濃口より塩分濃度は高くなっています。
色を薄く上品に仕上げたい「すまし汁、煮物」などにおすすめです。
塩分濃度は約18~19%

原料は大豆?それとも脱脂大豆?

乾燥大豆画像

そして、醤油選びで注目していただきたいのが「大豆」です。

最近よくスーパーなどで広く売られている醤油。

裏のラベルを見てみると「大豆」が原料ではなく大豆から油を絞った後の「脱脂加工大豆」が使われていることがあります。(大豆をそのまま使ったものを「丸大豆醤油」と言います。)

脱脂加工大豆原料の方が、コストが安い、油が少ないために熟成期間が短い、ということで一定の品質で安く醤油を買うことができる、というメリットがあります。

一方、大豆原料の方が、脱脂加工大豆原料のものと比べると高く感じるかもしれません。
大豆の方が、原料が高く熟成期間が長くかかるからです(こちらが本来の作り方ですが)。

ですが、大豆の方が熟成期間が長い分、複雑な旨みや風味を作ることができます。

また、脱脂加工の工程では「ヘキサン」という溶剤が使われること、脱脂加工大豆ではどんな大豆を使ったかの原料まで分からないこと、などを考えると、より安心して選べるのは「丸大豆」原料のもの、ということになります。

シンプルな「大豆、麹、小麦、塩」を使い、昔ながらの製法で作った醤油の方が、生産者さんのこだわりを感じることができまた、醤油独自の風味を楽しむことができます。

また、原料や醸造方法によっては旨みが十分に出ず「アミノ酸」や「アルコール」を原料に加えているものもありますが、これは「醤油風」の調味料のようなものです。(白カビ防止のためにアルコールを加えている場合もあります。) 

醤油は、ラベルの表示をよく見て選ぶようにしましょう。

そして、醤油に含まれる健康・美容成分といえば、多種に含まれるアミノ酸やペプチド類。
また、香り成分「フラノン」色素成分「メラノイジン」などはどちらも、抗酸化作用のある成分で、コレステロールの低下作用などもあります。

醤油には、他にも様々な成分や機能がありますが、これだけでも醤油は味を整えるだけではないということが分かりますね。

料理酒~飲むお酒との違いは?

日本酒画像

酒は、1%以上のアルコールを含んだものを言います。
糖質を原料に「アルコール発酵」と言ってこれも発酵の力を使って作られる食品です。

アルコール発酵は糖質を原料にするため、お酒の原料は糖質が豊富なものということになります。
穀物や芋類、果実が原料になるのは、そのためなんですね。

料理酒は、日本では主に日本酒のことを言います。

飲用の日本酒と何が違うのか?と言いますと、実は明確な規定はありません。
そのため、飲用の日本酒を料理酒として使っても問題はありません。

飲用の日本酒を料理に使う場合の注意点は、大吟醸などのよく磨いてあるお酒は向いていない、ということです。

よく磨いてある(精米歩合が高い)ということは、雑味がなくてスッキリした美味しいお酒に仕上がるのですが、旨味や風味など発酵による「酒独特の味」は少なめということになります。

料理に使うには、お酒の風味が加わった方が美味しいですよね?ですので、料理に使う際は、純米酒などの精米歩合が低いお酒の方がおすすめです。

一方、一般的に売られている「料理酒」を飲用として飲むのは、難しいかもしれません。

「料理酒」として売られているものには、「塩、砂糖」などが加えられていたり、アルコール度数が低いものが多いからです。
酒税法の関係もあり「料理酒」には、何かが加えられているということになります。

もちろん料理酒も、味噌、醤油と同じく、「原材料」に余分なものがなく、安心できるものを選びましょう。

酢~米酢と穀物酢は使い分けてる?

お酢画像

酢は、穀物や果実を酢酸菌という菌を使って発酵させて作ります(酢酸発酵)。
アルコール発酵の後に酢酸発酵をする、という工程になります。

酸味の成分は「酢酸」ですので、酸っぱい味ですが乳酸菌が出す酸味とはまた別ということになります。

「糖質」が発酵に使われますので、糖質が豊富に含まれる穀物や果物は、酢の原料として使われることになります。
最近では、ブルベリー酢、ざくろ酢なども一般的に売られるようになりましたね。

海外にもワインビネガー、バルサミコ酢などありますが、日本の伝統的な酢は「米酢、穀物酢」です。
この2つは、使い分け方が少しわかりづらいですよね。

簡単な特徴を抑えると、選びやすくなります。

●穀物酢

      ・米、小麦、コーン、などの色々な穀物が混ぜて使われる。

 

      ・原料コストが安く抑えられる場合が多いため、米酢より安価。

 

      ・クセがなく、さっぱり爽やかな風味が特徴。

 

      ・酸味も強すぎないものが多い。

 

    ・どんな料理にも使える。

●米酢

      ・米が原料として使われる。

 

      ・穀物酢より、やや高めの価格。

 

      ・コクがあり風味も強く、製品による特徴がある

 

      ・酸味は穀物酢より強め。

 

      ・酢を生かしたい料理向き。(酢飯、酢の物、和え物など)

 

    ・加熱で香りが飛ぶので、生で使うと生かされる。

 

また、酢も、醤油や味噌と同じ発酵という力を使って作られます。
そのため、発酵による酸味や香りが活きるはずのもの。

そうした昔ながらの製法の醸造酢と比較して、後から甘みやうま味、酸味を加えたり調節したりしたものは合成酢です。

最近では合成酢はあまり見られなくなりましたが、様々なお料理にすぐに使えるような調味酢は色々なものが売られています。

「アミノ酸」「砂糖」「果糖ブドウ糖液糖」「酸味料」「だし」などを追加して味を調整していますが、もし調味酢を使う場合にも自然な素材を使ったものがおすすめです。

醸造酢の本物の美味しさを生かしたものを選びたいですね。

また、酢の中で特徴的なものは、梅酢です。

梅酢は、梅干しを仕込む時に上がってくる水分ですので、仕込んだ時の塩分が含まれています。
すでに塩分が入った酢ということで、これひとつで簡単に酢飯、酢の物、和え物など様々な料理の味付けができます。

日本の伝統的発酵調味料まとめ

調味料3種画像

今回は、日本の伝統的な発酵調味料4種について見ていきました。

発酵調味料は、原料、熟成方法、によって大きな違いが出ますので、製品によって色々な違う味や香りが楽しめる、ということが面白さの一つでもあります。

共通する選ぶポイントは


裏の表示をよく見て、原料を確かめること。
そして、醸造方法の表示も確かめること。

安心安全で美味しいもの、さらに健康美人につながる発酵調味料生活を楽しみたいですね。

 
 

ゆったりマクロビ美人食 松崎 恭子
マクロビオティック師範、管理栄養士。
東京・大塚にて毎月50人の生徒さんが通う人気マクロビオティック教室「ゆったりマクロビ美人食教室」を開催 。

マクロビオティックをベースに「体にやさしい&おいしい料理は、誰でも簡単にできる」方法を皆さんにお伝えすべく料理教室、講演、食事栄養コンサルティングにて活動中。


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