Mama&Baby 子育て

”マタ旅”のリスク。楽しいマタニティライフを送るために知っておくべきこと!


ここ数年、妊娠中に旅行へ出かけるマタニティ旅行、通称「マタ旅」をされる妊婦さんが増えてきました。

SNSやブログなどで素敵なインフルエンサーたちがマタ旅風景を公開していると、自分も行ってみようと気軽に行動しがちです。

「夫婦二人水入らず」の時間の思い出づくりとして、素敵な記念となるでしょう。ですが、その一方で大きなリスクもあるということをご存じでしょうか?

今回は、楽しいマタニティライフを過ごせるよう、マタ旅に潜む危険と注意してほしい点についてご紹介しています。

”マタ旅” に警鐘!マタニティの安定期って?


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マタニティ旅行に関して多くの妊婦さんは、「いつだったら旅行していいの?」と気になっていると思います。

妊娠初期は母体も胎児も非常に不安定な時期であり、妊娠後期は腹部が増大することで腰痛などさまざまなマイナートラブルを抱えている時期でもあります。このような背景から、安定期の妊娠16~28週(妊娠5~7ヶ月)に旅行をしましょうといわれることも多いかもしれません。

ですが実際は、妊娠期間中に本当の意味での「安定期」などはありません。

ネットや雑誌には、旅行に出かけて良いかどうかは必ず医師や助産師に相談して下さいと書かれています。しかしながら、何をしても大丈夫、問題ないという安定期など妊娠中には存在しないのです。

そのため、旅行に行くかどうかを最終的に決めるのは、「自身の判断かつ自己責任」となることを決して忘れないで下さい。

実際にあったマタ旅中の悲しいケース


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実は私が以前勤務していた病院では、マタニティ旅行中に異常出血をして入院となった妊婦さんが何名かいらっしゃいました。

ある妊婦さんは妊娠中期に入り、赤ちゃんも順調に経過しているとのことで観光旅行へでかけていました。ところが、下着に違和感があり確認したところ出血がみられ、観光先で急遽病院を受診、切迫早産のため入院となりました。

ご自宅があるのは他県。旅行のスケジュールもキャンセル。ご主人は仕事があるため長くは滞在できない。当然、入院に必要なものなども持参されいいませんでした。

本人の不安やショックはさぞ大きかったことと思います。

「こんなことになるなら、旅行に行かなければよかった。」と話されていた姿がとても印象に残っています。

また、妊婦健診からずっと受診し、こんな出産をしようと話していた妊婦さんが産休に入り遠出、破水。そのまま外出先近くの病院で出産されたということもみてきました。

幸い、母子ともに元気に出産されたとのことで安心しましたが、初めてで慣れない場所でのお産は不安だったこと思います。

その妊婦さんとは、バースプランをとおして、「こんな素敵なお産にしよう」と一緒に話をしていたので、私たち医療スタッフも非常に残念でした。

もちろん、母子ともに何ごともなく楽しい旅行を終え、素敵な思い出話をしている妊婦さんもいます。ですが、それは結果論なのです。

マタニティ旅行を経験した妊婦さんの中には、想定外の苦い思いを体験している方がいるということ、決して何もないことが当たり前ではない、ということを忘れないで下さい。

示される現状データ

自然観光地に立脚した周産期基幹病院が平成27年に旅行者の母体救急症例についての現状を報告しています。

2007年9月から2014年12月までに近隣観光地より緊急初受診した旅行者妊婦さんは98例、そのうち救急搬送されたのが49例、妊娠22週以降で入院することになった妊婦さんが26例あったそうです。

非常に残念ですが、来院されたときには子宮内胎児死亡であったケースや、死産だったという方もいたと報告されています。

このデータから、たとえ旅行前の妊娠経過が順調であったとしても、旅行中に異常事態が起こる可能性があるということが示唆されています。

いつ何が起こるか分からないという意味において、妊娠安定期は存在しないのです。

(出典:佐治晴哉、平吹知雄ほか:自然観光地域に立脚した周産期基幹病院における旅行者母体救急症例の現状。 日本周産期・新生児医学会雑誌2016:52(1):30-35)

そもそも、「出産する前にやっておきたいリスト」の風潮が問題!


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近年どうしてこれほどまでのマタ旅が流行しているのでしょう。

もしかしたら背景の一つに、「出産する前にやっておきたいことをリストにして済ませておきましょう。」などというメッセージがあるのではないでしょうか?

赤ちゃんが産まれたら○○できないから、妊娠中の今のうちにやっておこう!という風潮にそもそも問題があるのではないかと私は感じています。

確かに小さなお子さんを連れての高級レストランでの外食や大きな音での映画鑑賞、遊園地などアミューズメントパークのデートなどは難しいかもしれません。

出産後の子育てははじめての連続で大変なことも多いかもしれません。ママ一人の時間の確保も、夫婦二人でいたときのような静かでおだやかな時間もなかなか取れないかもしれません。

ですが、それ以上の「赤ちゃん」という存在を手にした「家族の生活」がはじまっているのです。

「家族」は、誰もが簡単にたやすく手に入れることができるわけではありません。いくつもの奇跡を乗り越えて、妊娠し、出産できたからこそスタートした生活なのです。

ですから、子どもが誕生してからできないことを探すより、家族になったからこそできることを妊娠中から考えて準備し、楽しみにしてみてはいかがでしょうか。

「あなたがすぐにでもできる楽しいこと」 × 「赤ちゃんと一緒にできる楽しみなこと」


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まずは、「出産したら○○ができなくなるから今のうちに!」という思いで、やっておきたいリストを書くのではなく、「赤ちゃんが産まれたらこんなことをしたいから、今から準備しておこう!!」という、赤ちゃんとの生活を楽しむ、ポジティブな思いで妊娠中からやってみたいことリストを考えてみるのはどうでしょうか。

今ではレストランでも赤ちゃん連れを歓迎してくれるところが増えてきています。ご夫婦二人だったらきっと、訪れることもなかった家族一緒に行ってみたいレストランを探すのも楽しいですよ。

そして、映画も赤ちゃんとママのための映画の日を設けているところもあります。赤ちゃんとの映画デビューをいつごろにしようかと考えるのも産まれる前なら余裕をもって調べられるでしょう。

遊園地も小さなお子さん連れに優しいところがたくさんあります。

こうして並べてみると、夫婦二人のデート時代には知らなかった遊び方をいくつも体験できますよね。

また、旅行も赤ちゃんと一緒にでかけることは可能です。国内外問わず、赤ちゃん連れ大歓迎の宿泊施設や旅行会社(ツアー)も年々増えてきています。

マタニティ旅行で不安を抱えながら過ごすより、産まれた赤ちゃんと一緒にたくさんの思い出づくりの旅行に出かけることはなによりも楽しい時間となるはずです。

マタニティライフの楽しみ方


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妊娠することは奇跡なのです。

お腹に宿った命が日々成長していく妊娠期間中は、つねに「異常」と隣り合わせ。元気に赤ちゃんが産まれること、順調に成長していくこと、そのすべてが当たり前ではありません。

だからといって怖がったり不安に思う必要はありません!
無理をし過ぎず、ゆったりとした気持ちで、お腹の赤ちゃんの存在を感じながら、日々を過ごせたら幸せですよね。

わざわざ遠出をしなくても、妊娠中にしかできない楽しいことはたくさんあります。

身体を動かすマタニティヨガやマタニティスイミングをしたり、休日にはご夫婦で一緒にウォーキングをしたり、マタニティフォトを撮影したり、両親学級に参加したり。

妊娠中にしか体験できないことをご夫婦一緒に分かち合えることは、産後の育児をスムーズにすることにも繋がり、夫婦の絆も深まるのです。

「楽しいマタニティライフ」から「楽しい子育て」へとつなげるために


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妊娠・出産・育児の流れはすべてつながっています。
楽しいマタニティライフを過ごすことは、「楽しい育児ライフ」を導いてくれるのです。

ですから、「今のうちにやっておかないと、赤ちゃんが産まれたらできないよね。」とマイナス思考でつくり上げたリストを実現すればするほど、これもあれもできなくなるんだなと産後の生活を不安に思い、ストレスに感じてしまう危険性もあります。

心配や不安を抱えながら旅行に出かけるよりも、今しかできないことを心から楽しみ、産後の育児への準備をすすめていくことの方が有意義な時間です。

そしてそれが、マタニティライフを楽しむためのポイントなのです。

赤ちゃんと一心同体の妊娠中にしかできないことを楽しんで経験してみてください。
ママが笑顔で過ごすことは赤ちゃんへの幸せな胎教にもなるのです。

実際に、赤ちゃんとの生活がスタートしたらはじめてのことばかりで戸惑ったり、悩んだりすることが多いかもしれません。

ですが、妊娠中からあれもできない、これもできないと心配しすぎる必要はありません。

お腹の赤ちゃんと一緒に、無理のない範囲で妊娠中だからこそできるたくさんの経験をし、子育ての準備をしていきましょう。

マタニティライフ、子育ては十人いたら十通りあります。周りと比べることなく、流される必要もなく、あなたにしかできない幸せいっぱいのマタニティライフをお過ごしくださいね。
 
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ファミリーコーディネーター 加藤由香里
助産師、看護師、ベビーマッサージ講師、LAUREA合同会社代表
自らの産後うつの体験を基に築いた解決策の手法を用いてプレママ・プレパパのためのファミリースクールや、産後ママのお悩み個別ケアを実施している。世界中に幸せな家族を増やすことを使命として活動中。赤ちゃんとママ・パパの味方です!

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